6人の子どもを育ててきた経験から、子どもの「困らせる行動」について気づいたことをお伝えします。
子どもが仮病を使って学校を休む。
急に泣き出す。
わがままを言い続ける——
そんなとき、あなたはどう感じますか?
「またか」「どうしてこんなことをするの」と、つい困らせる行動ばかりに目が向いてしまいますよね。
この、お母さんの感覚は正常です(笑)。
困らせられたら困る、それは当然の反応。
でも今日は、その「困らせる行動」の裏に隠れているものを、一緒に見ていきたいと思います。
「困らせている子は、実は困っている」
あるお母さん(Aさん)から聞いた話です。
Aさんは娘さんが生まれて間もなく職場に復帰し、働きながら子育てをしてきました。
時間はいつも足りなくて、気がつけば娘さんとの時間よりも、仕事のことを考えている時間の方が長かった。
そんなある日、娘さんが「お腹痛い」「頭痛い」と言って、学校を休むようになりました。
でも不思議なことに、休むとすぐに元気になる。
そんなことが、しょっちゅう続きました。
お母さんが最初に考えたこと
Aさんは正直に振り返ります。
娘さんが「お腹痛い」と言ったとき、最初に考えたのは娘さんの体調ではなかった、と。
「職場に何と言おう。今日は大事な会議がある。また迷惑をかけてしまう——」
娘の顔より先に、スマホで職場への連絡文を考えていました。
……これ、責める気には全くなれません。
だってそれが、働くお母さんのリアルですよね。
頭では「娘のこと心配しなきゃ」と思いながら、指はもうLINEを開いている💦
娘の本音は、予想をはるかに超えるものだった
あるとき、Aさんは娘さんに直接聞いてみました。
「どうして学校を休むの?いつもすぐ元気になるでしょ」と。
娘さんの答えは、Aさんの予想をはるかに超えるものでした。
「ママと一緒にいるのが楽しいから。いつもお仕事で忙しいけど、私が休むと一緒にいてくれるから。」
Aさんはその場で涙が止まらなかったと言います。
仮病を使っていたのは、学校が嫌だからではなく——ただ、お母さんともっと一緒にいたかっただけだった。
娘さんなりの、精一杯のSOSでした。
アドラー心理学が教えてくれること
アドラー心理学では、子どもの問題行動には必ず目的があると考えます。
「注目を得たい」「つながりを感じたい」——その奥にある感情に気づくことが、解決への第一歩になります。
つまり「困らせる行動をやめさせること」だけを考えていると、本当の原因には永遠にたどり着けません。
「仮病はダメ」「わがままを言うな」——その言葉は間違っていない。
でも、それだけでは子どもの心の中にある「伝えたいこと」は、どこにも届かないまま残ってしまいます。
子どもはただ、言葉にできないメッセージを、行動で伝えようとしているのです。
「一緒にいるだけ」で解決してしまった
娘さんの本音を知ったAさんは、学校に行かせることより先に、一つのことを変えました。
休みの日に、子どもと一緒に過ごす時間を意識的に作るようにしたのです。
一緒に散歩に行く。クッキーを焼く。
特別なことは何もしない、ただ一緒にいる時間。
「え、それだけ?」と思われるかもしれませんが——それまで毎週のように続いていた仮病が、ぱったりなくなりました。
怒ることも、言い聞かせることも、特別なことは何もしていない。
ただ、一緒にいる時間を作っただけ。
なぜ「一緒にいるだけ」で解決したのか
仮病というのは、娘さんにとっての「ママを呼ぶ方法」でした。
他に方法を知らなかっただけ、とも言えます。
でも「一緒にいる時間」が定期的に生まれると、娘さんの中で何かが満たされていった。
「学校を休まなくても、ママはちゃんと一緒にいてくれる」という安心感が育ったのです。
ポジティブ心理学では「人は『つながり』を感じるとき、最も安心して行動できる」と言われています。
子どもにとって親との時間は、心の安全基地。
その場所がしっかりあると感じられると、子どもは外の世界へ安心して出ていけるのです。
忙しいお母さんのための「仕組み」
「もっと一緒にいてあげたい」——そう思っていても、仕事や家事に追われてなかなかできない。
わかります。本当によくわかります。
でも大きな誤解を一つ解かせてください。
子どもが求めているのは、豪華なお出かけでも、高価なプレゼントでもありません。
「ママが自分を見てくれている」という感覚、それだけです。
だから仕組みもシンプルでいいんです。
仕組み① 帰ったら5分間、今日あったことを笑顔で聞く
「おかえり、今日どうだった?」のひと言が、子どもの安心感を育てます。
仕組み② 週に一度、二人だけで買い物に行く
特別な場所でなくていい。スーパーへの買い物でも、二人きりの時間は子どもにとって特別です。
仕組み③ 毎晩、絵本の読み聞かせや話をする
寝る前の5分間。この積み重ねが「ママはいつも自分を見てくれている」という安心感になります。
「続けること」に意味がある
ここで大事なのは「続けること」です。
月に一度の豪華なお出かけより、毎日の「おかえり、今日どうだった?」の方が、子どもの安心感を育てます。
幸福感は大きな出来事よりも、小さなポジティブの積み重ねによって形成される——これはポジティブ心理学でも言われていることです。
毎日続けることで、子どもの中に「ママはいつも自分を見てくれている」という安心感が育ちます。
そしてその安心感があれば——子どもはお母さんを困らせる行動をしなくなります。
子どもの困らせる行動は「手紙」だった
Aさんは今、こう言っています。
「あのとき娘が仮病を使ってくれなかったら、私は気づかないままだったと思う」
子どもを困らせる行動は、子どもからあなたへの手紙です。
言葉ではなく行動で書かれた、不器用な手紙。
「もっとそばにいて」
「私を見て」
「つながっていたい」——
その手紙を読めたとき、子育ては愛おしいものに変わります。
今日からできること
あなたのお子さんが今、困らせる行動をしているとしたら——
まず「やめさせよう」より先に、こう問いかけてみてください。
「この子は今、私に何を伝えようとしているのかな?」
そう思いながら子どもを見てみてください。
きっと見える景色が、少し変わるはずです😊
子どものSOSサインの見つけ方と対応方法について、厚生労働省の公式サイトでも詳しく解説しています👇
厚生労働省「子どものSOSサイン」
この記事のまとめ
- 子どもの「困らせる行動」には必ず目的がある
- 「困らせている子」は実は「困っている子」——SOSのサインを見逃さないで
- 行動をやめさせようとするより、行動の裏にある気持ちに気づくことが解決への近道
- 子どもが求めているのは豪華な体験ではなく「ママが自分を見てくれている」という感覚
- 毎日5分の積み重ねが、子どもの心の安全基地を作る
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