子どもが仮病を使って学校を休む。
急に泣き出す。
わがままを言い続ける——
そんなとき、あなたはどう感じますか?
「またか」「どうしてこんなことをするの」と、つい困らせる行動ばかりに目が向いてしまいますよね。
この、お母さんの感覚は正常です(笑)。
困らせられたら困る、それは当然の反応。
でも今日は、その「困らせる行動」の裏に隠れているものを、一緒に見ていきたいと思います。
娘はただ、お母さんと一緒にいたいだけだった
Aさんは、娘さんが生まれて間もなく職場に復帰し、働きながら子育てをしてきたお母さんです。
時間はいつも足りなくて、気がつけば娘さんとの時間よりも、仕事のことを考えている時間の方が長かった。
「あ、今日も娘の顔をゆっくり見られなかったな」——そんな罪悪感を抱えながら、毎日が過ぎていきました。
そんなある日、娘さんが「お腹痛い」「頭痛い」と言って、学校を休むようになりました。
でも不思議なことに、休むとすぐに元気になる。
そんなことが、しょっちゅう続きました。
「保健室登校でもない、友達関係のトラブルでもない……いったいなぜ?」とAさんは首をかしげていました。
お母さんが最初に考えたこと
Aさんは正直に振り返ります。
娘さんが「お腹痛い」と言ったとき、最初に考えたのは娘さんの体調ではなかった、と。
「職場に何と言おう。今日は大事な会議がある。また迷惑をかけてしまう——」
娘の顔より先に、スマホで職場への連絡文を考えていました。
……これ、責める気には全くなれません。
だってそれが、働くお母さんのリアルですよね。
頭では「娘のこと心配しなきゃ」と思いながら、指はもうLINEを開いている💦
「困らせている子は、実は困っている」
そんなとき、Aさんはある言葉に出会いました。
「お母さんを困らせている子どもは、実は自分が困っている。
それをお母さんに気づかせようとしている。
気づくまで、困らせる状況は続いてしまう」
その言葉が頭から離れませんでした。
もしかしたら学校で困っているのかと思い、ある日娘さんに聞いてみました。
「どうして学校を休むの?いつもすぐ元気になるでしょ」と。
娘さんの答えは、Aさんの予想をはるかに超えるものでした。
「ママと一緒にいるのが楽しいから。
いつもお仕事で忙しいけど、私が休むと一緒にいてくれるから。」
Aさんはその場で涙が止まらなかったと言います。
生後間もなくから保育園に預けて、毎日忙しく働いてきた。
娘さんはずっと、そんなお母さんの隣で、寂しい思いを抱えながら過ごしていたのです。
仮病を使っていたのは、学校が嫌だからではなく——ただ、お母さんともっと一緒にいたかっただけだった。
娘さんなりの、精一杯のSOSでした。
アドラー心理学より
子どもの問題行動には必ず目的がある。
「注目を得たい」「つながりを感じたい」——その奥にある感情に気づくことが、解決への第一歩になる。
行動をやめさせようとしても、解決しない理由
困らせる行動を「やめさせること」だけを考えていると、本当の原因には永遠にたどり着けません。
「仮病はダメ」「わがままを言うな」——その言葉は間違っていない。
でも、それだけでは子どもの心の中にある「伝えたいこと」は、どこにも届かないまま残ってしまいます。
子どもはただ、言葉にできないメッセージを、行動で伝えようとしているのです。
大人だって同じですよね。
本当に言いたいことが言えなくて、態度が悪くなったり、急に黙り込んだりすることがある。
子どもはそれを、もっと素直にやっているだけです。
今日からできること
あなたのお子さんが今、困らせる行動をしているとしたら——
まず「やめさせよう」より先に、こう問いかけてみてください。
「この子は今、私に何を伝えようとしているんだろう?」
答えはすぐに出なくてもいい。
ただその問いを持つだけで、見える景色が少し変わります。
「困った子」が「困っている子」に見えてくる。
そうなると、不思議と怒りより先に「どうしたの?」という言葉が出てくるものです。
【この記事のまとめ】
叩く・泣き叫ぶ・言うことを聞かない、そんな行動には必ず理由があります。
子どもはまだ言葉で気持ちをうまく伝えられないとき、行動で「助けて」を伝えようとしています。
そのSOSに気づいて受け止めることが、困らせる行動を減らす第一歩になります。
子どもの行動を「困ったもの」ではなく「メッセージ」として受け取れたとき、親子の関係は少しずつ、確実に変わっていきます。

