子育てをしていると、ふと思う瞬間があります。
「あの子、成績がいいな」
「あの家、仲良さそうだな」
「あのお母さん、余裕があっていいな」
そんなとき、心のどこかがチクッとする。
「うちは……」
——そう思ったこと、ありませんか?
大丈夫です。
思わないお母さんの方が珍しい。
でも今日は、そのチクッとする気持ちを少し違う角度から見てみましょう。
コインに表だけ、というものは存在しない
少し哲学的な話をさせてください。
この世界には、ひとつの法則があります。
コインに表だけ、というものは存在しない。
表があれば、必ず裏がある。陽があれば、必ず陰がある。
「表だけください」は無理な話で、裏は必ずついてくる。
当たり前のことですが、これを子育てに当てはめると、見える景色がガラッと変わります。
「羨ましいもの」の裏側
成績優秀な子どもには、外から見えないプレッシャーがあります。
「また1番を取らなければ」
「期待を裏切ってはいけない」
「失敗できない」
——常にそのプレッシャーと戦いながら、笑顔でいる。
以前お話しした「御三家に合格した子が自己肯定感をなくした話」を覚えていますか?
輝かしい合格の裏に、誰も見ていない苦しさがあった。
あれもまさに、コインの裏でした。
運動ができる子には、気づかないうちに向けられる嫉妬があります。
「あいつばかりレギュラーで」
「どうせ才能があるから」
——本人は何もしていないのに、ただ頑張っているだけなのに、その頑張りが標的になることがある。
才能があることが、必ずしも楽なわけじゃない。
そういう裏側は、外からは見えません。
仲良さそうな家族にも、見えないところで積み重なった努力があります。
喧嘩して、話し合って、泣いて、笑って——その全部があって、今の仲良さがある。
外から見える「仲良し家族」は、その努力の結果であって、最初からそうだったわけじゃない。
外から見える「表」は、その子やその家族の一部にすぎません。
光が強ければ、影も濃くなる
ユング心理学より
「シャドウ(影)」——光が強ければ強いほど、影は濃くなる。
輝いて見えるものの裏には、必ずそれと同じ重さの「影」がある。
SNSで見る「完璧な子育て」「仲良し家族」「できる子ども」——あれは全部、表だけを切り取ったものです。
誰も裏側をSNSには投稿しません。
「今日も子どもと喧嘩した」
「夫婦でまたすれ違った」
「テストで最下位だった」
——そういう話は出てこない(笑)。
だからSNSを見るほど、「うちだけが……」という気持ちになる。
でも実際は、みんな裏側を持ちながら生きています。
他の子の「表」と、うちの子の「裏」を比べていませんか?
ここが大切なポイントです。
「あの子はいいな」と思うとき、私たちはあの子の表とうちの子の裏を比べていることが多い。
あの子の輝いているところと、うちの子の苦手なところ。
これを比べたら、そりゃチクッとします(笑)。
比べるなら、表同士か裏同士で比べないと公平じゃない。
でも裏側は見えないから、どうしても表だけが目に入ってしまう。
他の子や家族の表だけを見て羨ましがるのは——コインの表だけを欲しがることと、同じことかもしれません。
【この記事のまとめ】 「あの子はいいな」と思うとき、 見えているのはコインの表だけです。
どの家にも、どの子にも、 表と裏がある。
あなたの家にも、あなたのお子さんにも、 他の誰かが羨ましがるような 素晴らしいものが、必ずあります。
今日から少しだけ、 「うちにあるもの」に目を向けてみてください。
きっと、思っていたより多く見つかります。

