お母さんの口癖が子どもの口癖になる——6人育てて気づいた言葉の影響力

子育ての仕組み

6人の子どもを育ててきた経験から、「言葉」と子育ての関係についてお伝えします。

「おままごとをすると、お家の中が丸見えなんですよ(笑)」

娘が幼稚園に通っていた頃、先生からこんな言葉を聞きました。


最初は笑い話のように聞いていました。でも、よく考えると笑えない💦



子どものおままごとは「再現ドラマ」だった

おままごとは、子どもが「見てきたもの」を再現するゲームです。

ママ役の子どもは、自分のお母さんがしていることをそのままやってみる。

つまり——子どものおままごとは、その家のお母さんの「再現ドラマ」なのです。



三浦綾子の小説に出てきた、衝撃のシーン

三浦綾子の小説に、子どものおままごとのシーンがあります。

女の子(ママ役)が、寝ている男の子(パパ役)の布団をバッと剥がしました。

「いつまで寝てるの!起きなさい!」

すると男の子が、きょとんとしてこう言いました。

「なんでそんなに怒ってるの?うちのママはね、起こしてごめんねってキスして起こしてくれるよ」


……この場面を読んだとき、私は思わず手が止まりました。

布団を剥がして怒鳴るママ。キスして「ごめんね」と起こすママ。

どちらも、その家の「朝の日常」をそのまま映しています。

子どもは見ています。全部、見ています。



実は独身時代にこのシーンを読んでいた私

実は私は、独身時代に三浦綾子の小説でこのシーンを読んでいました。

だから結婚してから、心に誓ったことが一つあります。

「朝、起こすときだけは優しくしよう」

……起こすときだけ、です(笑)。


他のことは、まあ、いろいろありましたが、起こすときだけは「ごめんね、もう朝だよ」と穏やかに声をかけることを、なんとか続けました。

もし娘がおままごとで「私」を再現していたとしたら——起こすシーンだけは、きっとやさしいお母さんが映っていたはずです。

他のシーンは、怖くて聞けませんが😓



口癖は「無意識の鏡」——こんな口癖、心当たりありませんか?

子どもが吸収するのは、親の行動だけではありません。

言葉、特に「口癖」も同じように吸収しています。


口癖というのは、本人が意識していない言葉です。
「あ、また言ってしまった」と気づかないまま、毎日何十回も使っている言葉。

だからこそ、恐ろしい💦

こんな口癖、心当たりありませんか?

ネガティブ系の口癖
「どうせ無理」「また失敗した」「私なんて」「疲れた」「もう嫌」

比較系の口癖
「あの子はできるのに」「なんでうちの子は」「普通はこうでしょ」

急かす系の口癖
「早く早く」「まだ終わらないの」「何やってるの」「いつになったらできるの」


私はあります😅「早く早く」は特によく言っていました。6人いると、朝の支度は戦争ですから💦



口癖が子どもに与える影響

これらの口癖が子どもに与える影響は、じわじわと現れます。

「どうせ無理」が口癖のお母さんの子どもは、挑戦する前に「どうせ無理」と言うようになる。

「早く早く」が口癖のお母さんの子どもは、いつも何かに追われているような焦りを感じるようになる。

「なんでうちの子は」が口癖のお母さんの子どもは、自分はダメだという感覚を積み重ねていく。

ユング心理学では「親の無意識は、子どもの無意識に直接語りかける」と言われています。
言葉の意味より先に、言葉のトーンや感情が子どもの深いところに届くのです。


言葉が子どもに与える影響について、精神科医の専門家が解説しています。
参考にしてみてください👇
金子書房「ネガティブな口癖の影響とその改善」(精神科医・白百合女子大学発達心理学科)




逆に、子どもを育てる口癖もある

ネガティブな口癖がある一方で、子どもをぐんぐん育てる口癖もあります。

「大丈夫」→「失敗しても大丈夫」という安心感を育てる

「面白いね」→好奇心と探求心を育てる

「ありがとう」→感謝する習慣と思いやりを育てる

「あなたならできる」→自己肯定感と挑戦する勇気を育てる

「楽しいね」→日常の中に喜びを見つける力を育てる

どれも特別な言葉ではありません。でも毎日繰り返されることで、子どもの心の土台になっていきます。



口癖を変える3つの仕組み

「口癖を変えましょう」と言うのは簡単ですが、無意識に出てくるものを変えるのは、そう簡単ではありません。

だから「仕組み」にしてしまいましょう。

仕組み① 自分の口癖を「見える化」する

1週間、気づいたときにメモする。「今日も『早く早く』と言ってしまった」——記録するだけでいいです。

ユング心理学では「意識することで、無意識の支配から自由になれる」と言われています。
気づいた瞬間から、変えることができます。


仕組み② 「置き換え言葉」を一つだけ決めておく

全部の口癖を一度に変えようとすると、続きません。一つだけ「この言葉に置き換える」と決めておく。

「早く早く」→「あと5分でお出かけだよ」
「どうせ無理」→「やってみようか」
「なんでできないの」→「どうしたらできそう?」


仕組み③ 寝る前に「今日の言葉」を振り返る

一日の終わりに、30秒だけ振り返る。「今日、どんな言葉を子どもにかけたかな?」

責めなくていいです。ただ思い出すだけ。
その積み重ねが、少しずつ言葉の習慣を変えていきます。



完璧な言葉を使うお母さんでなくていい

最後に、一番大切なことをお伝えします。

完璧な言葉を使うお母さんでなくていいのです。

「また口癖が出てしまった」「今日も怒鳴ってしまった」——それでいいんです。

ポジティブ心理学では「完璧な親よりも、修復できる親の方が、子どもの心の発達に良い影響を与える」と言われています。

言いすぎてしまったとき、「さっきは言い過ぎてごめんね」と言えるお母さん。

それだけで、子どもは「失敗しても大丈夫」という感覚を学びます。



今日から試してほしいこと

今日一つだけ、意識してみてください。

子どもに声をかけるとき、一回だけ深呼吸してから話す。

それだけでいいです。

深呼吸一つで、言葉が変わります。言葉が変わると、子どもへの伝わり方が変わります。

そしてその積み重ねが、10年後の「うちのお母さんの言葉、好きだった」につながっていきます😊



この記事のまとめ

  • 子どものおままごとは「お家の再現ドラマ」——子どもは全部見ている
  • 口癖は無意識に出てくるからこそ、子どもへの影響が大きい
  • ネガティブ・比較・急かす口癖は、じわじわと子どもの心に影響する
  • 「大丈夫」「ありがとう」「あなたならできる」など、育てる口癖もある
  • 口癖を変えるには「見える化」→「置き換え」→「振り返り」の3ステップ
  • 完璧な言葉を使わなくていい——気づいて、またやり直せるお母さんで十分


【関連記事】
子どもの「困らせる行動」が消えた理由——SOSのサインに気づいた日
子どもを信じるとはどういうことか——6人育てて確信したこと

タイトルとURLをコピーしました