他の子とくらべてしまうお母さんへ——子育てが楽になる「コインの法則」

子育ての気づき

6人の子どもを育ててきた経験から、他の子と比べてしまう気持ちとの向き合い方をお伝えします。

子育てをしていると、ふと思う瞬間があります。

「あの子、成績がいいな」
「あの家、仲良さそうだな」
「あのお母さん、余裕があっていいな」

そんなとき、心のどこかがチクッとする。

「うちは……」

——そう思ったこと、ありませんか?

大丈夫です。思わないお母さんの方が珍しい。



コインに表だけ、というものは存在しない

少し哲学的な話をさせてください。

この世界には、ひとつの法則があります。

コインに表だけ、というものは存在しない。

表があれば、必ず裏がある。陽があれば、必ず陰がある。

当たり前のことですが、これを子育てに当てはめると、見える景色がガラッと変わります。



「羨ましいもの」の裏側

成績優秀な子どもには、外から見えないプレッシャーがあります。

「また1番を取らなければ」「期待を裏切ってはいけない」「失敗できない」——常にそのプレッシャーと戦いながら、笑顔でいる。

以前お話しした「御三家に合格した子が自己肯定感をなくした話」を覚えていますか?

輝かしい合格の裏に、誰も見ていない苦しさがあった。あれもまさに、コインの裏でした。

仲良さそうな家族にも、見えないところで積み重なった努力があります。


喧嘩して、話し合って、泣いて、笑って——その全部があって、今の仲良さがある。外から見える「仲良し家族」は、その努力の結果であって、最初からそうだったわけじゃない。

ユング心理学では「光が強ければ強いほど、影は濃くなる。輝いて見えるものの裏には、必ずそれと同じ重さの『影』がある」と言われています。



他の子の「表」と、うちの子の「裏」を比べていませんか?

ここが大切なポイントです。

「あの子はいいな」と思うとき、私たちはあの子のとうちの子のを比べていることが多い。

あの子の輝いているところと、うちの子の苦手なところ。これを比べたら、そりゃチクッとします(笑)。


SNSで見る「完璧な子育て」「仲良し家族」「できる子ども」——あれは全部、表だけを切り取ったものです。

誰も裏側をSNSには投稿しません。「今日も子どもと喧嘩した」「テストで最下位だった」——そういう話は出てこない(笑)。

だからSNSを見るほど、「うちだけが……」という気持ちになる。

でも実際は、みんな裏側を持ちながら生きています。



脳は「フォーカスしたもの」を増やす

ポジティブ心理学に、こんな研究があります。

「フォーカスしたものが増えていく」

人間の脳は、注目したものをより多く認識するようにできています。

「うちの子はダメだ」とフォーカスすれば、ダメなところがどんどん目につくようになる。「うちの子のいいところ」にフォーカスすれば、いいところがどんどん見えてくる。

現実は変わっていないのに、見える景色がまったく変わる。

新しい車を買おうと思った途端、街中でその車ばかり目につくようになる——あの現象と同じです。

アドラー心理学でも「人は意味づけによって現実を作る」——同じ出来事でも、どう意味づけするかで、まったく違う体験になると言われています。



「レンズ」を変えると、子育てが変わる

7つの習慣では「パラダイム(見方)を変えることが、人生を変える第一歩だ」と言われています。

子どもを見る「レンズ」を変えるだけで、子育てはがらりと変わります。

「うちの子は成績が良くないから心配」→「うちの子は勉強以外の得意なことがある」

「うちの子は運動が苦手」→「うちの子は細かいことに気がつく、優しい子だ」


「見方を変えるなんて、現実逃避じゃないの?」——いえいえ、嘘をついているわけでも、目を背けているわけでもない。

本当のことを、別の角度から見ているだけです。

成績が良くないことも本当、他に得意なことがあることも本当。どちらも現実です。どちらを見るかを選んでいるだけです。


子どもの自己肯定感を育む関わり方について、専門家のアドバイスも参考にしてみてください👇
日本ユニセフ協会「子どもの自己肯定感を育むために親ができる3つのこと」



「うちにあるもの」を見る3つの仕組み

「我が子のいいところを見る」——頭ではわかっていても、つい比べてしまうのが人間です。

わかっていてもできない。これ、意志の問題じゃありません。脳の仕組みの問題です。

だから「気をつける」ではなく、「仕組みにする」のです。

仕組み① 「我が家の宝物リスト」を作る

ノートでも、スマホのメモでもいい。
「我が家の好きなところ・いいところ」を書き出す。

最初は5つでいい。「朝、子どもが寝ぼけた顔でリビングに来るのが好き」でも立派な宝物です。


ポジティブ心理学の研究では「毎日いいことを書き出した人は、そうでない人より幸福度が高くなる」ことが証明されています。
気休めじゃなく、本当に効果があります。

仕組み② 「比べそうになったら、裏側を想像する」ルール

誰かを羨ましいと思った瞬間に——「この人の裏側には何があるだろう?」と心の中で問いかける。

コインの裏を想像するだけで、羨ましい気持ちが少し落ち着きます。

そう思った瞬間、ちょっと親近感が湧いたりします。


仕組み③ 「今日のいいこと」を寝る前に1つ言う

夜、子どもが寝る前に「今日のあなたのいいところ、お母さんが見つけたよ」と一言伝える。
内容は小さくていい。

「今日、靴をそろえてたね」
「弟に優しくしてたの、見てたよ」
「ご飯食べながら笑った顔、かわいかった」


7つの習慣では「感情口座への入金」——毎日の小さな一言が、子どもの心の貯金になると言われています。

この一言を探す習慣が、お母さん自身の目を「いいところを見るレンズ」に育ててくれます。



「うちにないもの」より「うちにあるもの」

他の家にあって、うちにないもの——それを数え始めると、きりがありません。

でも「うちにあるもの」を数え始めると、意外とたくさんあることに気づきます。


毎日ご飯が食べられる。子どもが笑っている。今日も一日無事に終わった。

当たり前に見えることが、実は「うちにあるもの」の宝庫だったりします。

今日から、わが子の「表」に目を向けてみてください。

コインの裏を知ったうえで、表を愛する。

それが、本当の意味で「わが子を見ている」ということだと思います😊



この記事のまとめ

  • 「あの子はいいな」と思うとき、見えているのは相手の「表」だけ
  • どの子にも、どの家族にも、表と裏がある——コインと同じ
  • 脳はフォーカスしたものを増やす——「ダメなところ」より「いいところ」に注目する
  • 見方(レンズ)を変えるだけで、同じ子どもがまったく違って見えてくる
  • 「宝物リスト」「裏側を想像する」「寝る前の一言」の3つの仕組みで比べる習慣が変わる
  • 「うちにないもの」ではなく「うちにあるもの」を数える習慣が子育てをラクにする

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