「子育てのツケ」は、いつか必ず回ってくる――50代のお母さんが泣きながら話してくれたこと

子育ての仕組み

この記事は全3回シリーズの第1回です。

子どもが小さいころ、こんなふうに思ったことはありませんか?

「もう少し大きくなれば、ラクになる」
「手が離れたら、自分の時間が持てる」
「早く自立してくれれば……」

その気持ち、すごくよくわかります。私も何度も思いました。

でも今日は、あなたにひとつだけ、忘れられない話を聞いてほしいのです。


子育てセミナーで出会ったお母さん

私がまだ子どもが小さかったころ、「子育てセミナー」に参加したことがあります。

そこに、50代くらいのお母さんがいました。

周りはほとんど小さい子を持つ若いママたち。
その中で、なぜ彼女は参加したのだろう?と気になって、思い切って話しかけてみました。


彼女は、静かにこう話してくれました。

「23歳の娘が荒れていて……。親に構ってほしいのか、毎日困っています。
子育てをやり直そうと思って来ました」

「お店をやっていて、娘が小さいころはかまってあげられなかった。
娘はひとりで子守唄を歌って寝ていたんです……。
そのツケが、今ごろ回ってきたんだと思っています」

その言葉が、ずっと胸に残っています。


「子守唄を、自分で歌って寝ていた」

この一言が、どれほど重いか。

幼い子どもが、誰も来ない暗い部屋で、自分で自分を慰めながら眠りについた。
その場面を想像したとき、私は胸が痛くてたまりませんでした。


お母さんは悪い人ではありません。
お店を必死に切り盛りして、家族のために働いていた。
娘さんのことが嫌いだったわけでも、愛していなかったわけでもない。


ただ——そのとき、そこにいられなかった。

それだけのことが、20年後に「23歳の娘が荒れている」という形で返ってきた。

子育てには、後回しにできない時期がある。

そのことを、このお母さんの言葉は静かに教えてくれていました。


「大変な時期」には、意味がある

子育ての大変な時期——眠れない夜、泣き止まない子ども、自分の時間がまったく持てない日々。

「早くこの時期が終わってほしい」と思うのは、当然のことです。

でも同時に、その時期は子どもが親の愛情をいちばん必要としているとき。

「うんとかまってあげること」が、子どもの心の土台をつくる。
それは後回しにできない、今しかできないことなのです。

ユング心理学より
子どもの無意識は、親の関わりによって形成される。

アドラー心理学より
人間の悩みの根本は、すべて対人関係にある。

幼いころに「愛されている」「ここにいていい」という感覚を積み重ねることが、その後の人間関係の土台になります。


ある一定量の愛情を受け取れなかった子どもは、大人になってからもその「不足」を埋めようとして、自分でも気づかないうちに苦しみます。


50代のお母さんの娘さんが「荒れていた」のは、反抗や問題行動ではなく、ずっと待ち続けた**「お母さん、かまって」というサイン**だったのかもしれません。


今、子育て中のあなたへ

「もう少し大きくなったら、ちゃんとかまってあげよう」

その「もう少し」が、実は一番大切な時期だったりします。


今日、少しだけ手を止めて、子どもの顔を見てみてください。話を聞いてみてください。

それが、20年後の「ツケ」を作らない、一番シンプルな方法です。


次回は、子どもが小さいうちにやっておいたほうがよいことについてお話しします。

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