※この記事は全3回シリーズの第1回です。
子どもはお母さんの言葉に、お母さんが思っている以上に敏感です。
何気なく口から出た一言が、子どもの心の奥深くに刺さっていることがあります。
「そんなつもりで言ったんじゃないのに……」という言葉ほど、意外と深く刺さっていたりするのが、言葉の怖いところです(笑えない)。
今日は、特に気をつけてほしい「比較の言葉」と「二重否定」についてお話しします。
比較の言葉が子どもを傷つける理由
「あの子はできるのに、どうしてあなたはできないの?」
「お兄ちゃんみたいに勉強しなさい」
——こういった言葉、つい言ってしまうことはありませんか?
お母さんとしては「もっと頑張ってほしい」という愛情から出た言葉のはず。
でも子どもに届くのは「私はダメな子だ」というメッセージです。
親の気持ちと、子どもが受け取るメッセージが、これほどすれ違うことが子育てにはよくあります。
「愛情から出た言葉が、傷つける」——これが子育ての難しいところですよね(笑)。
アドラー心理学より
比較は劣等感を生む。
劣等感は人を奮い立たせることもあるが、多くの場合「どうせ自分には無理」という無力感につながる。
子どもへの比較は、やる気を奪う最も効果的な方法の一つ。
比較された子どもは、頑張ろうとするのではなく、比べられること自体を嫌いになっていきます。
勉強が嫌いになるのではなく、「評価されること」が怖くなるのです。
その結果、挑戦しなくなる。失敗を恐れて、最初から諦める。——お母さんが望む姿と、真逆の方向に進んでしまいます。
花に声をかけた実験——言葉の力の怖さ
言葉の力を示す、こんな話があります。
3本の花に、それぞれ違う言葉をかけ続けました。
🌸「きれいだね」と声をかけた花
💀「ばかやろう」と声をかけた花
🥀「枯れないでね」と声をかけた花
さて、一番最初に枯れたのはどの花だと思いますか?
「ばかやろう」と言われた花……ではありませんでした。
答えは——「枯れないでね」と声をかけた花でした。
「えっ、優しい言葉をかけてたのに?」と思いますよね(笑)。
これが「二重否定」の怖さです。
「枯れないでね」には「枯れる」という言葉と「〜しないで」という否定が含まれています。
二重否定は、強力な否定として潜在意識に伝わってしまうのです。
顕在意識では「枯れないでほしい」という優しい言葉に聞こえます。
ても、潜在意識は「枯れてしまえ!」という強いメッセージとして受け取ってしまうのです。
ユング心理学より
潜在意識は言葉の「意図」ではなく「内容」に反応する。
否定語を含む言葉は、たとえ優しい意図があっても、潜在意識にはネガティブな刺激として届く。
子育てに潜む「二重否定」
実はこの二重否定、子育ての言葉の中にたくさん潜んでいます。
「転ばないで」→「転ぶ」が先に潜在意識に届く
「忘れ物しないでね」→「忘れ物」が先に届く
「泣かないの!」→「泣く」が先に届く
どれも愛情から出た言葉ですよね。
でも潜在意識は「意図」ではなく「内容」を受け取る。
「そんな細かいこと言ったら、何も話せないじゃないか!」と思いますよね(笑)。
大丈夫です。全部を直す必要はありません。
まず「知っている」だけで、言葉の選び方が少しずつ変わっていきます。
次回は「二重否定」が子育てにどう影響するか、そして言葉をどう言い換えればいいかを具体的な例でお話しします。

