子どもを信じるとはどういうことか——6人育てて確信したこと

子育ての仕組み

6人の子どもを育ててきた経験から、「子どもを信じること」について、私が感じてきたことをお話しします。


「うちの子、大丈夫かな」

そう思う瞬間、ありますよね。

テストの点数がイマイチだったとき。
進路の話が出始めたとき。
よその子の活躍を耳にしたとき。

「花咲く時期はみんな違う」「うちの子にはうちの子のペースがある」——頭ではわかっています。

「わかってる、わかってる……でもやっぱり不安!」

これが、お母さんの正直なところじゃないでしょうか😓



よその子が気になるのは、愛情の証

「あの子は成績がいいのに、うちの子は……」

「あのお母さんの子は習い事でも活躍しているのに」——

子育て中、そんな気持ちになったことはありませんか💦

参観日に他の子の発表を聞いて「うちの子よりずっとできる……」とため息をついたり、SNSで「子どもが〇〇賞を受賞しました!」という投稿を見てそっと画面を閉じたり。


でも、少し立ち止まって考えてみてください。

その「比べてしまう気持ち」——それは、あなたが我が子を真剣に考えているからこそ生まれる感情です。

どうでもいい子のことは、比べようとも思わない。

よその子が気になってしまうのは、それだけ我が子を大切に思っているから。



外から見える「良さ」は、ハイライト集にすぎない

優秀な子を持つお母さんにも、あなたには見えない悩みがあるかもしれない。

成績優秀でも、友達関係で苦しんでいるかもしれない。習い事で活躍していても、家では毎晩泣いているかもしれない。


SNSやママ友の話に出てくる「よその子」は、いつもハイライト集です。

誰も「今朝、子どもに怒鳴ってしまった話」はSNSに投稿しません😅

フランスの作家モーパッサンはこんな言葉を残しています。

「人の一生は、人が思っているほど良くもないし、悪くもない」

子育ても同じです。「よその子の育ち」も、人が思っているほど良くもないし、悪くもない。



「今この瞬間」で決めつけない——2つの実話

アドラー心理学では「他者との比較は、劣等感を生むだけでなく、目の前の子どもの本質を見えなくさせる」と言われています。

ここで、実際にあった2つの話をお伝えします。

エピソード① 高校受験に落ちた子が、難関国公立大学に合格した話

高校受験で第一志望に落ちた子がいました。仲の良い友達と一緒に受験し、友達だけが合格しました。

お母さんはひどく落ち込んだそうです。「うちの子は……将来が心配……」と。

でも、その子は悔しさをバネにして大学受験で猛勉強しました。

結果——難関国公立大学に、現役で合格しました。

高校受験の「不合格」は、人生の失敗ではなかった。花が咲くタイミングが少し違っただけでした。


エピソード② 難関高校に合格したのに、自己肯定感がダダ落ちした話

東京の「御三家」と呼ばれる超難関高校に進学した子がいました。模試もS判定、余裕で合格。周りからは「すごいね!」と羨ましがられました。

ところがその高校には「バケモノ」のような優秀な生徒がゴロゴロしていました(笑)。

どんなに頑張っても、学年で20位に入れない。中学校ではトップだったのに——自己肯定感はダダ落ちで、勉強する気が失せてしまいました。

お母さんはこう言っていました。「ワンランク下の高校に行っていたら、ずっとトップでいられて、もっといい大学に行けたと思う……」と。



人生は、一部を切り取って判断できるほど単純ではない

ポジティブ心理学では「人の成長は直線ではなく、波のように上下しながら進む。ある時期の『低さ』が、次の『高さ』への準備になっていることがある」と言われています。

高校受験に落ちた子が、大学受験で輝いた。御三家に合格した子が、自己肯定感を失った。

どれも「今この瞬間」だけを切り取って見ていたら、正反対の評価をしていたはずです。

花咲く時期は、みんな違う。それだけのことです。



お母さんが信じれば、子どもは頑張れる

子育てで、お母さんができる最大のことは何だと思いますか?

塾に通わせること?習い事をさせること?毎日の勉強を見てあげること?

それも大切です。


でも、それよりもずっと根本的なことがあります。

それは——「あなたは大丈夫」と信じて伝えることです。

6人の子育てを通じて、私が確信していることがあります。

どんなに成績が悪くても、どんなに失敗しても、「お母さんは私を信じてくれている」と感じる子は、必ずまた立ち上がります。

お母さんの「信じる力」は、どんな塾よりも強い。

これは大げさではなく、本当のことだと思っています。


子どもの自己肯定感を育む親の関わり方について、公認心理師が詳しく解説しています👇
公文「子どもの自己肯定感とは?高める方法、親の接し方や心構え」



「信じたいけど、不安が止まらない」問題

「信じましょう」と言うのは簡単ですが、実際には難しい。

テストで赤点を取ってきたとき、「大丈夫、信じてるよ!」とにっこり言えるかどうか……。

でも「信じる」と「不安になる」は、同時に存在していいんです。

信じながらも不安になる——それがお母さんというものではないでしょうか。


大切なのは、不安を完全になくすことではなく、不安に飲み込まれて「信じる言葉」を子どもに伝えられなくなることを防ぐことです。

だからこそ、「仕組み」にしてしまうのです。



「信じる」を毎日の仕組みにする

感情に頼ると、余裕のある日しか「信じる言葉」は出てきません。でも仕組みにしてしまえば、余裕がない日でも続けられます。

仕組み① 今日の「良かったこと」を一つ、子どもに伝える
「今日、自分で起きられたね」「ご飯全部食べられたね」——どんな小さなことでもいい。子どもはお母さんに「見てもらえている」と感じます。

仕組み② 「おやすみ」の前に、一言だけ伝える
「今日も一緒にいられてよかった」「あなたがいてくれて嬉しい」——長い言葉じゃなくていい。寝る前の静かな時間に届いた言葉は、子どもの心に深く残ります。

仕組み③ 「あなたならできる」を週に一度、声に出して言う
週一回だけでいい。照れくさくても、声に出すことが大事です。言葉は積み重ねるほど、子どもの「自分は大切にされている」という実感になっていきます。



比べる視点を、少しだけ変える

「よその子と比べる」から「昨日のうちの子と比べる」へ。

たったこれだけの視点の移動が、子育てを驚くほど変えてくれます。

昨日はぐずっていたのに、今日は自分で靴を履けた。先週はニンジンを嫌がっていたのに、今日は少しだけ食べることができた。

そういう「うちの子の成長」は、よその子と比べているときには絶対に見えません。

でも視線を我が子に戻したとき、今まで見えていなかった「その子らしさ」がじわじわと見えてきます。



この記事のまとめ

  • よその子と比べてしまうのは、我が子を真剣に思っているから——その愛情は本物
  • 外から見える「良さ」はハイライト集にすぎない
  • 花咲く時期はみんな違う。「今この瞬間」で決めつけない
  • お母さんの「信じる力」は、どんな塾よりも強い
  • 「信じる」を仕組みにしてしまえば、余裕がない日でも続けられる
  • 比べる基準を「よその子」から「昨日のうちの子」に変えるだけで子育てが変わる

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