妊娠中、または妊活中の女性は、未来の子どもたちのためにできることはなんでもしてあげたい、と望んでいる方が多いと思われます。
そんなプレママのみなさんは、葉酸の重要性をご存知ですよね。
食事やサプリメントを利用して、がんばって摂取している方もいらっしゃる中で、「摂りすぎてしまったら、もしかして…」と不安になることもあるかと思います。
頑張れば頑張るほど、過剰に摂取してしまいがちなサプリメントですが、何事も適度が1番。
葉酸の摂取を中心に、出産に向けての栄養面についてまとめてみました。
葉酸はビタミンなので体内に多くは蓄積しません
まず、安心していただきたいのは、葉酸を多く摂りすぎてしまった場合の疾患や弊害は報告されていません。
その理由は、葉酸は水溶性のビタミンなので、体内に多くは蓄積できないからで、過剰な部分については尿によって排出されると言われています。
滋養強壮のドリンク剤などを飲んだ後の尿が、妙に黄色いことがありませんか?
その場合も多くは、体内で十分に吸収されて、かつ余分になったビタミンなどが排出されていることが影響をしています。
だからと言って、目茶苦茶にたくさん摂ればいいというわけではありません。
厚生労働省の指定する摂取上限は、医師の管理下にある場合を除き、1日1000μg(1mg)とされています。
基準の裏付けとしては、高用量の葉酸摂取はビタミンB12欠乏の診断を困難にするためです。
ちなみに1日の推奨摂取量は、妊娠期は440μg、授乳期は340μg、妊娠を希望している女性は400μgです。
一般的に、積極的にサプリメントなどを活用して葉酸を摂取していない場合、平均的な葉酸摂取量は400μgに達していないと言われています。
そのため、普通に生活している分には、摂りすぎるということは心配することはありません。
ただし、日常的に様々なサプリメントを利用していたり、ドリンク剤を飲む習慣がある人は、上限を超えてしまう可能性があります。
葉酸が欠乏してしまう生活習慣
摂りすぎてしまう心配よりも、摂っているつもりで実は摂取できていないほうが、気をつけなければいけません。
例えば「私は、がんばってたくさん緑黄色野菜を食べているから平気」と思っている場合。
葉酸は、水に溶けやすく熱に弱いという特徴があり、そのため、調理の段階で50パーセント、さらに体内で代謝過程で実際の利用効率は、50パーセントと言われています。
つまり、緑黄色野菜などの食品で、十分に必要量を摂取したと思っていても、実際有効な栄養素はわずかでしかない場合があるのです。
また、服薬をしている場合、一部の薬剤により葉酸の吸収が阻害されてしまうことがあります。
特に、抗てんかん薬を服用している場合は、葉酸の血中濃度が低下すると言われ、高い確率で奇形を持った赤ちゃんが生まれることが知られています。
これは、葉酸の不足により増加した有害物質のホモシステインによる影響と言われています。
もし、服用している場合は、かかりつけの医師に相談し、血中濃度を検査してもらうなどの対応をしましょう。
その他にも、アルコールはアセトアルデヒドが葉酸を壊すと考えられています。大量にアルコールを飲む方はご注意を。
多数のサプリメントを利用する時は全体量を注意して
「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に関する情報提供要領」では、緑黄色野菜などの食品から推奨摂取量を得ることは難しいことから、サプリメントの活用をすすめています。
現在日本国内でも、葉酸を配合したサプリメントが多く販売されています。
1〜2つで400μgが摂取できるタブレットや、およそ200μgが摂取できるドリンクなどがあり、ドラッグストアなどで購入することができます。
そこで注目したいのが、含まれている栄養成分です。
それぞれに様々な栄養素が含まれていますが、重複しているものも存在します。
ついつい購入する側としては、店頭に並んでいる商品のパッケージで選んでしまうことが、多いのではないでしょうか。
例えば「葉酸」と大きく表示してあるタブレットなら、葉酸が入っていることが一目でわかります。
しかし「カルシウム」とだけ表示してあるタブレットはどうでしょう。
一見、葉酸は含まれていないように見えますが、カルシウムの吸収に各種のビタミンが必要とされているので、葉酸が含まれていることもあります。
また、鉄を補うドリンクも多種多様に存在しますが、かなり多くの商品で葉酸が含まれていることがあります。
逆に、葉酸を摂取しているつもりでも、併せて配合してある成分が過剰摂取になってしまう場合もあります。
手軽に利用できるサプリメントだからこそ、含まれている栄養成分をしっかりと確認し、全体量を把握して活用したいですね。
お母さんは十分な栄養を摂りましょう
出生時の赤ちゃんの体重が2500gを下回っていると、低出生体重児と呼ばれます。
その場合、見守りが必要なため、自治体への申し出が義務付けられています。
国内ではここ20数年に渡って、この低出生体重児が著しく増加していることがわかりました。
昔から「赤ちゃんはだいたい3000gで生まれる」という認識があるかと思いますが、実はもう女児については平均出生体重は3000gを下回ってしまっています。
1980年と比べると、200gも減っているというデータもあります。
その原因の1つが、女性の痩せ願望にあるとの指摘があります。
妊娠中のお母さん自体が低栄養状態のため、お腹の赤ちゃんも十分な栄養を得ることができず、低出生体重児となってしまうのです。
それは、赤ちゃんにとって将来、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクが上がることにつながると言われています。
また、出生時に小さいからといって、急激に栄養を与えて大きく育てることが、赤ちゃんにとっても負担になることも問題とされています。
そうなってしまわないように、出産にあたり、お母さんとなる女性はなるべく、葉酸をはじめとする十分な栄養を摂れるように、食生活の改善が必要です。
お母さんがバランスよく栄養を取り入れて、赤ちゃんにもしっかりと栄養を送ってあげましょう。
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