葉酸の名前が、育児本にも度々登場するようになりましたね。
でも、「詳しくは医師に相談を」などと、あまり詳しくは記載されていないものもあったりして、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
葉酸なんて初めて聞くし、何かの薬なの?と疑問に思っていることもあるかもしれません。
葉酸が一体どんなものなのか、上限はあるのか、健やかなマタニティライフのために4つの基本的な情報をまとめてみました。
葉酸は色々な食品に含まれている
そもそも葉酸は普段の生活において、どれだけの量を摂取しているか、考えたことはありますか?
実は、葉酸は特別な栄養素ではなく、ごく一般的な食品にも含まれているものなんです。
葉酸は、ほうれん草の葉から発見されたことから、その名が付きました。
名前が表す通り、緑黄色野菜に含まれているビタミンで、緑黄色野菜以外にも、果物や卵、納豆やレバーにも含まれています。
つまり、私たちが普通に食事をしていたら、多かれ少なかれ葉酸を摂取していることになります。
ただ、現代の食生活では、ファストフードや加工品を食べる機会が増えていることから、野菜や果物を食べる量が減ってきています。
また、美容目的のダイエットや痩せ願望から、若い女性が慢性的な栄養不足になっていることも多く見られます。
残念なことですが、日本では、葉酸を摂取することでリスクを下げることができると言われている、神経管閉鎖障害の二分脊椎という赤ちゃんの背骨の病気が、ジワジワと増えてしまっていることがわかりました。
そのことから、厚生労働省では、平成12年に妊娠が可能な女性に向けて、葉酸の摂取をすすめるように、適切な情報提供を各方面へ周知しました。
妊婦の葉酸は400μgを目標に
では、実際には、どれだけの葉酸の摂取が望ましいのでしょうか。
厚生労働省の推奨する葉酸の摂取基準は次の通りです。
- 一般成人男女:240μg/日
- 妊娠中の女性:440μg/日
- 授乳期の女性:340μg/日
なお、葉酸の過剰摂取は、ビタミンB19の欠乏の診断を困難にすることから、上限を1000μg(1mg)/日とすることとなっています。
注目すべき点は、妊娠の計画をしている女性については、400μg/日を推奨しているということです。
なぜ妊娠してからではないのでしょうか?
それは、神経管閉鎖障害が起こる部位に関係しています。
赤ちゃんの成長は、まず中枢神経の形成から始まり、妊娠の極めて初期の段階で行われるということです。
それは妊娠6週までと言われていて、計画的に妊娠している人であっても、やっと確認が出来る頃です。
そのため、妊娠がわかってからではなく、妊娠を計画している女性は、最低でも妊娠の1ヶ月前からは葉酸をはじめとして、様々な栄養素を適切に摂取する必要があるのです。
また、葉酸は調理による損失が大きいことと、摂取しても体内への蓄積が少ないことから、毎日コンスタントに摂らなければなりません。
食事から摂れる葉酸は少ない
葉酸が含まれている食品、食材はたくさんありますが、前述の通り調理による損失が大きいため、推奨されている葉酸の量を摂取するのは難しいと言えます。
また、妊娠が可能な女性と言うと、結婚して専業主婦になっていない限り、ほとんどの方が日中お仕事を持っていらっしゃると思われます。
そうなると、お弁当や外食が多くなりがちのため、さらに摂りにくくなってしまいます。
実際に、20代〜30代の女性の緑黄色野菜の平均摂取量は、摂取目標の120gを大きく下回っているというデータもあります。
さらに、体内での利用効率について言えば、摂取量のおよそ50パーセントと言われています。これは、食品の栄養素の代謝過程に、様々な段階があることが理由です。
これらのことから、神経管閉鎖障害のリスクの低下を期待するためには、緑黄色野菜などの食品以外に栄養補助食品(サプリメント)の活用が求められます。
実際に、1998年にアメリカの食品医薬局(FDA)が行った、葉酸強化策によってパンやシリアルなど、毎日食べることが多い穀物製品に葉酸が添加することを義務付け、その後、二分脊椎の発生率を大幅に減少しました。
最近では、日本でも葉酸のサプリメントが多く取り扱われるようになっています。
出産後もしっかりと葉酸を摂取する
妊活中や妊娠中は食事に気を使っていても、出産後は気が抜けてしまったり、赤ちゃんのお世話に追われて、お母さんは食事の管理がおろそかになりがちです。
赤ちゃんの身体は、生まれてからもグングン大きく成長していきます。3ヶ月もすれば、体重は生まれた時の倍ほどにもなります。
授乳期にも新しい細胞が作られていますから、赤ちゃんは葉酸が必要で、不足すると心身の発達に影響が出るとも言われています。
葉酸をはじめとするビタミンB群は、ホルモンの代謝を円滑にさせます。
産前産後、お母さんの身体は目まぐるしく変化を続けていますから、意識的に体調を整えておかないと、これから続く育児を乗り切れませんから、しっかりと葉酸摂取を継続したいですね。
また、アルコールを飲む習慣がある人は要注意です。
葉酸は傷ついたDNAを修復する働きを持っていますが、アルコールは、分解されて発生したアセトアルデヒドが活性酸素を作り出し、その必要な葉酸を壊してしまうと考えられています。
妊娠中、授乳中は飲酒を控えるように言われていますが、葉酸の観点からも控えるべきであると言えますね。
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