葉酸は妊婦に効果あり?守りたい、我が子の3つの未来

お店やインターネットなどで、マタニティ用品や出産育児情報を見ていると、「葉酸入り」という商品を見かけることが多いですよね。

「ママの体や赤ちゃんの成長のために」と書かれていても、どんな効果があるのか、摂らなければならない理由がイマイチわからない、なんて思っている方も多いのではないでしょうか。

実は、葉酸が不足することがママのみならず、赤ちゃんの将来に影響が出る、とも言われているんです。

そこで、あまり知られていない葉酸不足による脅威についてまとめてみました。

葉酸って一体なんなの?

まずは、葉酸について簡単にご紹介します。

葉酸は水溶性のビタミンの一種で、別名ビタミンB9と呼ばれており、細胞が新しく作られたり、傷んだ細胞を修復することを補う働きがある栄養素です。

ほうれん草の葉から発見されたためその名がつきました。ほうれん草以外にも様々な緑黄色野菜納豆などの食品に含まれています。

造血ビタミンとも呼ばれる葉酸は、鉄やビタミンB12などと一緒に摂ることが多く見られ、貧血予防月経前症候群(PMS)の改善も期待できると言われています。

厚生労働省の推奨する1日の摂取量は、一般成人男女が240μg妊娠期の女性が440μg授乳期の女性は340μgと定められています。

また、妊娠を計画している女性は400μgとし、そうでない人に比べて倍近くの摂取を求めています。

その理由に、葉酸が妊娠初期の胎児の成長に影響し、二分脊椎などの神経管閉鎖障害のリスクの低下を期待できることがあげられます。

最低でも、妊娠の1ヶ月前からしっかりと葉酸を摂取していることが望ましい、とされています。

二分脊椎は背骨の病気です

神経管閉鎖障害の二分脊椎は、赤ちゃんの脳や脊髄などの中枢神経の原型が作られる時に、はじめは管のような形になります。

これを神経管と呼び、上下に伸びていきます。最後に頭側とお尻側で閉じられます。

この時、正しく神経管となって閉じることができなかった場合に起こります。

症状としては大きく分けて2つに分かれます。背中を中心にして、下側が閉じていない場合は二分脊椎。上側が閉じていない場合は、無脳症です。

無脳症は、脳が正しく形成されない状態のことです。残念ながら、無脳症になってしまうと流産、死産の可能性が高くなり、生まれることができても長く生きられないと言われています。

ニ分脊椎は、「脊椎披裂(せきついひれつ)」「脊髄披裂(せきずいひれつ)」に分類されます。

脊椎披裂は背骨の一部が欠けている状態で、それほど珍しい状態ではありません。この状態だけならほとんど障害になるような問題は出ず、10人に1人程度発生していると言われています。

問題なのが、脊髄披裂です。これは、閉じられなかった部分の皮膚に穴ができてしまい、成長した脊髄が飛び出してしまう状態です。

その過程で、背中がふくれたり脂肪の塊ができることがあります。

こうした状態で生まれた赤ちゃんには、すぐに手術が必要で、手術を行わないと、足に運動障害が起きたり、膀胱や直腸の障害が出てしまうことがあります。

脊髄披裂が水頭症につながる可能性が

脊髄披裂による影響は、下肢の障害がだけではありません。

妊娠8週を過ぎる頃になると、お母さんのお腹の中の赤ちゃんの脳では、脳脊髄液と呼ばれる脳の水が循環を始めます。

その際に皮膚に穴があり、その上、脊髄を覆う硬膜が傷ついて脊椎に入り込んでいると髄膜炎を生じ、脊髄が開いたままの状態になると、水頭症が起こる危険性が80〜90パーセントに高まってしまいます。

水頭症は、髄液が脳室や、くも膜下腔に異常なほどたまってしまい、頭部が異常に大きくなります。

頭蓋の中の圧力が上がっているので、眼球が押し下げられ黒目の位置が下がる落日現象と呼ばれる症状が起きることがあります。

また、急速に頭蓋内の圧力が上がると、嘔吐やけいれんを起こし、不機嫌になる、うとうと眠る状態が続く、頭痛を感じているためか、甲高い声で繰り返し発作的に泣いてしまうことがあります。

反対に、ゆっくりと頭蓋内の圧力が上がると、急激な症状は確認できませんが、発達に遅れが出るなどの状態になることがあります。

成人病のリスクが高まることも

1986年、イギリスの疫学者であるデイビット・パーカーが提唱した「成人病胎児期発症説」をご存知でしょうか。

胎児期に成人病、つまり日本で言うところの生活習慣病を発症するなんて、一見ちぐはぐで理解しがたいことだと思います。

しかし、この研究で明らかになったのは「葉酸が不足するなど、お母さんの栄養状態が悪い場合は、生まれた赤ちゃんが、将来、高血圧や糖尿病などになる危険性が高くなる」ということなのです。

元々は、赤ちゃんが胎児期に低栄養にさらされた場合、大人になり、狭心症や心筋梗塞という虚血性疾患を起こしやすい、ということから導かれました。

具体的には、胎児期に慢性的に葉酸が不足することで、代謝不全を起こし、有害物質であるホモシステインが体内に蓄積してしまい、DNAに成人病の素因となる変化を起こしてしまうこと、と言われています。

成人病には、遺伝子多型が関与していることは明らかになっていますが、実際には、その遺伝子多型だけが発症原因とは言いがたく、最近の研究で、葉酸不足との関係性が指摘されたのです。

このように、葉酸は、赤ちゃんの成長に大きな影響を及ぼすということがわかっています。

全ての障害や病気が、葉酸により防ぐことができるわけではありませんが、リスクの低下が期待できることは、これから出産を望んでいる女性には、是非知っておいていただきたいですね。

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