「赤ちゃんが発熱で元気がない」
こんな体験をしている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
発熱は、身体の防衛反応の1つで、風邪やウイルスを追い払おうとする為に起こるものです。
赤ちゃんと一言で表しても、月齢で大きな成長差があり、更に個人差があるので発熱した時のポイントと対処法について書いていきます。
記事の目次
発熱と呼べる値
- 微熱(軽熱)…37.6~37.9℃
- 中等熱 …38.0~38.9℃
- 高熱 …39.0℃以上
・0~1ヵ月(新生児)までの赤ちゃんは、37.7℃以上(36.5~37.6℃が体温)
・1~12ヵ月(乳・幼児)までの赤ちゃんは、37.6℃以上(36.5~37.5℃が体温)
赤ちゃんは大人と比べ、新陳代謝が盛んである事や、体温調節機能が未熟である事、体温喪失を防ぐ皮下脂肪が少ない等から環境温の影響も受けやすいです。
また、体温に日内変動がり、明け方は低く、起床~午後にかけて高くなるという特徴もあります。
上記の格体温値は、平均的・目安のものであり、体温とその随伴症状にも気をつけて観察する必要があります。
また、個人差が大きい為、日頃の平熱を把握しておき、
「この子の平熱はだいだい○○℃。微熱はだいたい○○℃以上かな」
と具体的に認識しておく必要があります。
赤ちゃんからの発熱サイン
- 母乳時、乳首を伝わって熱さを感じたり、ネバネバしていたりする。
- 母乳・ミルク量が減る。(離乳食も含む)
- 元気がなくなって、おとなしくなる。
- 何となくだるそうで、目がうるんでいる。
- 顔色に生気がなく、ハリがない。
- 不機嫌で、時にゾクッと震える。
- 唇がかさついている、乾燥している。
- 活気がなく、ぐったりしている。
赤ちゃんは、自らいま起きている不愉快な症状を訴える事ができません。
その為、母親や家族の方の他覚症状やサイン、日常生活の変化が大切になってきます。
発熱に伴い、何かしらの異変があります。それを見逃さず早めの対処が、疲労を軽減し回復力に繋がります。
発熱を生じやすくなるのは、生後5~6ヵ月
赤ちゃんは、産まれてくる時にお母さんから“免疫“をもらって、病気から守る力が備わっています。
しかし、生後5~6ヵ月頃になると、その免疫が消失します。消失すると、風邪やウイルスに感染して熱が出たりする等の特徴があります。
免疫が無くなる前に、ワクチン接種をして予防しますが、身体の発達が未熟である事から完全には防げないのも赤ちゃんの特徴です。この為、最も多い発熱の原因となるウイルス感染症から守ってあげる事が必要で、大切なポイントとなってきます。
予防接種に関しては別の記事で書きます(赤ちゃんの熱がメインの為)が、予防接種の実施によって抵抗力を作ります。同時に、日頃からのケアが必要不可欠となってきます。
そのケアとは、体調が思わしくない優れない時は、乳幼児の多い場所へは避ける・行かない、外出時は抱っこして、近くに咳やくしゃみしている人がいれば直接、触れないよう赤ちゃんの顔を覆い飛び散る菌から守るように努める、室内では空気清浄機の使用や換気等、環境を整える事が大切になってきます。
生後5~6ヵ月未満で発熱時は、小児科受診
お母さんから免疫をもらって産まれてくるので、5~6ヵ月未満の赤ちゃんは発熱が起こりにくいです。
しかし、この時期に37.6℃以上の発熱があった場合は昼夜問わず小児科を受診する必要がります。(日中は行きつけの小児科や、夜間は救急指定又は小児科の指定病院)
5~6ヵ月と、その差が1ヵ月あります。これはいつと断言できず、一人ひとりの赤ちゃんの免疫消失にも個人差があります。また、免疫を失っても直ぐに必ず発熱をするという事態ではありません。
この為、5ヵ月に入った頃から“もし熱が出たら小児科受診の必要がある”と念頭におき、行きつけ以外に救急指定病院や夜間の小児科指定病院を調べておくと慌てなくてすみます。
受診が必要な際は、事前に電話をして、母子手帳を忘れず持参し病院へ向かって下さい。
また、常日頃から受診に備え予備の着替えや水分、ブランケットや帽子等の保温する物、オムツ、お気に入りのおもちゃ等、必要物品を準備しておく事をお勧めします。
吐物や下痢等の症状があった場合は、スマホ・携帯等で写真を撮り、診察時に医師に見せるとより確かな診断がついたり、医師の問いに対してスムーズに伝えられたりする等の利点があります。撮る事が可能であれば、試されてみて下さい。
関連記事⇨赤ちゃんの下痢が続くときの原因と必要な2つの対策とは
発熱時の5つの対策法
赤ちゃんが発熱してしまったときの対策法としては
- 安静
- 冷罨法
- 薬の使用時間や体温を記録する
- 清潔の保持
- 栄養・水分補給
これらをまずは確認しながら行なってみてください。
安静
体力消耗が激しく、疲労もある為に静かな環境で安静に過ごせるように環境を整えます。
夏季は冷房を使用し、適度な涼しい部屋も効果的です。
この場合は風が直接、肌に当たる事を避けます。冬季は、保温と換気に気をつけます。
体温上昇じ時は寒気がするので、暖房器具を使い室温を上げたり、毛布を1枚足したりして調整します。
体温上昇後は、熱を放散する為に寒がらない程度に薄着にしたり、掛け物を減らしたりして熱の放散を促します。
発熱に伴う全身の脱力感・倦怠感がある為、楽な姿勢が取れるようにドーナツ枕やタオル、クッション等を使用し、安楽な姿勢が保てるようにする事もお勧めです。
安心感や落ち着きから、抱っこを要求する赤ちゃんもいます。
お母さんの楽な姿勢と、長い抱っこに備えてU字型のクッションやドーナツ枕等を使用すると便利です。
高熱時は吐く時もあるので、顔を横向けて吐物の誤飲や窒息防止に努めます。
冷罨法
アイスノンや氷を使って、解熱を促します。
赤ちゃんが嫌がる場合は、無理に使わなくても大丈夫です。
高熱の場合、首、腋の下や脚の付け根に当てると解熱の効果が得られます。
使用時は、冷たくなりすぎないように気をつけて、タオルやガーゼを巻いて使用したり、嫌がった時は外したりして活用します。
薬の使用時間や体温を記録する
解熱薬が処方されている場合、何時に薬を飲んだ、又は座薬を入れたと記録(メモ)します。そして、薬を使用した時間も記録します。
解熱薬を使用した後は、30分後と1時間後に体温測定して、解熱薬の反応を確認します。
内服する際は、極少量の水で薬を溶き、スプーンで薬を飲ませるとスムーズに飲めます。
座薬を挿肛する時は、少量のオイルを、座薬の挿入する先端面に塗って挿肛します。
オイルを塗る事で、挿入時の痛みを軽減し挿入しやすくなります。
清潔の保持
発熱中は入浴できない為、座浴(お尻を洗う)を行い感染防止に努めます。
また、熱が下がり始める頃や疲労の程度が重くない時を見計らって身体を拭く清拭を実施する必要がります。
可能であれば、発汗後の着替えの際に、素早く清拭するのもお勧めです。
解熱しても1日は様子を見る為に、入浴を控え座浴や清拭して清潔を保ち、二次感染に努めます。
栄養・水分補給
母乳・ミルクや離乳食の摂取量が減る為、脱水に注意する必要がります。
可能な範囲で、水分補給に努め、脱水状態を緩和する事で全身状態が良くなり、熱が下がります。
口から飲めない・食べられない場合で必要時は、点滴を実施する時もあります。
点滴をする際は、可能な限り側にいて点滴ラインを抜かないように見守ります。
どうしても熱が下がらない時は小児科受診
小児科受診後、薬を飲んでいたり、又は微熱の為、自宅安静中で様子見ていたりする場合等で、発熱してから3日目になっても熱が下がらない時は、小児科を受診する必要があります。
もしかしたら、風邪やウイルス感染以外の疾患があるかもしれないからです。
この場合、診断がつくまで診察や検査に付き添う形になります。
とても不安で疲労も増している頃と思いますが、勇気づけや励ましの意味で出来るだけ前向きな姿勢で取り組んでいただきたいと思います。
赤ちゃんは、母親や家族の感情・思いを察知しています。
この為、「こんなに辛くて可哀想に…」等とばかり思わずに、「今、私がこの子にできる事は何か」という事を考え、スキンシップや声かけを忘れずにそれを可能な範囲で実施されてほしいと思います。
そうする事で、赤ちゃんの闘病意欲が保たれ不安軽減や安心感にも繋がります。
お母さんと赤ちゃんは、2人でセットです。
まとめ
熱は、小児科受診する赤ちゃんが一番、多い症状です。
発熱のみではなく、上記のような随伴症状を伴っている事が多く、夜間に体温上昇する事も少なくありません。
身体が未発達で体温調整が上手くできない事や、不快な症状を訴える事ができない赤ちゃんである為に、側にいる母親や家族の方の観察が大切です。
適する時に小児科を受診し、正しいケアを行う事で、症状が早く回復し元気になれます。
小さな身体で、発熱と随伴症状に体力消耗や疲労は大きいものです。
1つ1つの症状に慌てず焦らずに、前向きに赤ちゃんと一緒に頑張っていきましょう。
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