赤ちゃんが肝炎に感染!?知っておくべき3つの症状と治療法

肝炎には種類があって、感染する肝炎によっては赤ちゃんの生涯を通して付き合う疾患となってしまいます。今まで書いた感染症の疾患と異なり、肝炎は赤ちゃん~大人までも全身に影響がある重要な疾患の1つになっていて、出産~育児まで母子を含めたケアが重要となってきます。

赤ちゃんにとって最も重要・代表的なのは「B型肝炎」ですが、“赤ちゃん”と言う総称から、出生時~乳幼児までと幅が広い為、代表的なA・B・C型肝炎についても知識を得ておいた方が良いので、まとめていきます。

肝炎の原因

肝炎ウイルスに感染・発症する事で、肝炎となります。

肝炎ウイルスは肝細胞と親和性が高く、その中で増殖し、その過程で産生されるタンパクが肝細胞の抗原性を変化させてしまいます。赤ちゃんの体内で、免疫学的標的となり肝炎を引き起こします。

肝炎の症状

肝炎の種類は”急性肝炎“、“慢性肝炎”、“劇症肝炎”の3タイプに分けられます。

急性肝炎

下痢・嘔吐・発熱等の急性胃腸炎の症状が現れてきます。その後、元気がない・ぐったりしている倦怠感・眼球結膜の黄染等が出現してきます。後者の症状から、受診結果、肝炎と判断されるのが多いです。

慢性肝炎

消化・代謝の遅延、易疲労、全身倦怠感を起こしやすくなります。全身の症状と同時に、定期的な通院・血液検査値から日常生活の全般を通してケア・意識が必要となります。赤ちゃんの生活リズムを整える事が必要不可欠となり、家族全員で取り組む事が大切です。

慢性肝炎

肝障害・凝固障害・脳症の3兆候が、代表的な症状になります。

各種肝炎の特徴

感染経路や経過、治療・予防等を表にします。(上記【1・2・3】と併せて参考し下さい。)

項目 A型肝炎 B型肝炎 C型肝炎
ウイルスの種類 HAV HBV HCV
感染経路 経口感染 母子感染
血液・体液感染
血液感染
母子感染は少ない
病態・経過 急性肝炎
潜伏期は4週間程度

母子感染で無症候性キャリアとなる。
10代以降に発症。

多くは無症状。
小児では母子感染と輸血。
臨床症状に乏しい急性・慢性肝炎。
劇症化の有無 まれ あり あり
慢性化の有無 なし あり、10% 多い。
慢性肝炎・肝硬変から肝ガンに進展する。
小児では肝硬変はまれ
治療・予防 ワクチン インターフェロン
HB免疫グロブリン
インターフェロン
抗ウイルス薬

肝炎の治療

上記に追加記入になりますが、赤ちゃんに大切な「母子感染」の一般的に実施されている治療を書きます。

お母さんが既にB型肝炎を罹患している場合、妊娠中に“胎児感染”して産まれてくる赤ちゃんは、産まれつきB型肝炎を患う事となります。キャリア化する赤ちゃんは、85~90%と非常に多いです。

その為、分娩直後に免疫グロブリンとHBワクチンを投与して、キャリア化を阻止するよう努めています。

また、赤ちゃん・乳幼児・小児へと成長していく過程中の治療時は、厳重な全身状態を管理の元、有害代謝産物の除去と肝産生促進を行うようになります。

脳浮腫・脳圧亢進治療・血漿交換・持続血液濾過透析・肝移植がありますが、中でも最も効果が高いのは“肝移植”です。

肝炎のケア

肝炎のケアを母子と赤ちゃんとそれぞれに分けて説明していきます。

母子について

B・C型肝炎のお母さんから産まれた赤ちゃんは、母乳を飲む事ができません。抱っこしたり日常生活のお世話をしたりするのは問題ありませんが、ミルクで人口栄養を摂る事になるのが一般的です。

たとえ、お母さんの母乳が順調であっても制限される為、母乳分泌が消退・消失するまで母子共に辛い一時期があります

母乳の匂いは赤ちゃんしか分からず、飲んでいる時はもちろん、飲まない時・抱っこされている時でも母乳の匂いを知って把握しています。

また、赤ちゃんの本能で母乳を求める能力と欲求があります。その為、母乳と離断する切なさを感じています。

母子共に辛いですが、お母さんは「ミルク飲んで大きくなろうね」、「美味しいミルクの時間だよ」等、ミルクの前向きな表現が重要になってきます。

同時に母親のケアも大切ですが、赤ちゃんの肝炎という事がメインなので母子のケアに関しては以上です。

赤ちゃんについて

投与治療の実施後は、通常の赤ちゃんのお世話になります。着替え・沐浴・ミルク・オムツ交換等、他の赤ちゃんと変わりはないです。肝炎を患っても外見では全く異変がない為、肝炎とも気づかれません。

産まれたばかりの赤ちゃんの場合、状況によっては助産師がミルクを与える事もあります。赤ちゃんの本能・欲求から母乳を求め、おっぱいを触ったり吸ったりしてくる場合がその対象になります。また、お母さんが精神的に辛くて赤ちゃんと接するのが辛い時も入ります。

自宅で育児中の赤ちゃんの場合、赤ちゃんの健康診断の際や定期健診で診察や血液検査で肝炎の症状・進行程度が医師によって診断・治療となってきます。これは、一時的なものではなく、ほぼ永久的なものになる為、年齢に応じて将来的には小児科~内科領域となります。

また、お母さんも妊婦健診の感染症結果で発覚・自覚もあり、出産時も説明を受けて理解もある為、赤ちゃんの日頃からの様子・症状、変わった事はないか、急性胃腸炎・風邪の症状があった時、それ以上の悪化はないかを十分に意識して観察する事が必要で求められてきます。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、これは幅広い方々が知っている言葉です。正にその通りで外見は全く何の問題も無いように見えます。

また、“症状出現した時は既に遅かった“という事も多く、目に見えない進行・悪化がある為、怖い疾患でもあります。

母子感染によって、赤ちゃんから見たら“生まれつき余儀なく感染していた”という状態です。

お母さんから見ると「病気の為に適切・必要な治療が、肝炎という感染をもらってしまった」、「入れ墨のせいだ…」等と心当たりがある場合もあります。

赤ちゃんの肝炎は、長い目で見ないといけません。可能な治療を実施できるよう、日頃から生活リズムを整え定期受診・検査が可能な状態を作るのもお母さんができる事です。

めげそうにもなりますが、励ましながら一緒に病院へ行くのも愛情であり責務でもあります。肝炎の進行・悪化を防ぐ・赤ちゃんの為にも、家族が一致団結して取り組む事が大切です。

まとめ

個人的には、母子感染から30代でインターフェロン治療をした先輩看護師を見ています。外見は元気で何も変わった様子がなかったのですが、体調が優れない事が続き受診の結果、慢性肝炎が判明しました。

看護師である為、自分の今後が分かり一時期は軽いうつ状態になってしまいました。

体力消耗の復活・栄養補給・安静が必要となり、治療の為にも入院していました。お見舞いにも行きましたが、見た目は肝炎と本当に分かりませんでした。

目に見えない・現れない病魔の怖さ・進行性を目の当たりにしました。尊敬していて大好きな先輩だけに、ものすごいショックと病気を憎んだのを覚えています。

病名は肝炎ですが、肝炎によって様々な変化があり、その変化から二次的に新たな病気が合併される事もあります。上記の先輩の事例でいうと、軽度うつ病、栄養障害を合併しています。このように疾患が重なるのも多いのが肝臓です。肝臓の役割は重大で、時に生命にまで直結してきます。

肝炎を患ってしまった赤ちゃんですが、進行・増悪をいかに遅くするか、いかに様々な苦痛を軽減できるか、いかに規則正しい生活を提供できるか等を考慮して、気持ちを強くもって励まれていただきたいと思います。

また、元気で順調な時は肝炎である事を忘れてしまうのが人です。赤ちゃんが成長して学童期になっても肝に銘じて、医師からの注意点等を忘れないで実施するのが重要です。

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